Fritz Hansen “エッグチェア”
誕生と隠れた秘密
デンマークデザインの父と呼ばれる”アルネ・ヤコブセン”
アルネ・ヤコブセンは、デンマークが生んだ、20世紀でもっとも影響力の大きい建築家兼デザイナーであり、今日の北欧モダンデザインの原型を作り上げたデンマークデザインの父と呼ばれる人物です。
1927年にデンマーク王立芸術アカデミーを卒業後、円をモチーフにモダニズムの形式をとった「未来の家」の発表を機に、建築界にその名を轟かせます。
一般住宅から、デンマーク国立銀行などの大規模プロジェクトも手掛け、完璧主義だったアルネ・ヤコブセンは、建物だけではなく、家具やその他のインテリアに至るまで統一したテーマのもとに、それらのプロジェクトを指揮。
生み出すデザインが全て計算尽くされており、それらの作品の多くが、不朽の名作として世界各国で絶大な評価を受けています。
Arne Jacobsen
1902 – 1969
SASロイヤルホテルのトータルデザインによって誕生した名作チェア
アルネ・ヤコブセンは、SASロイヤルホテルの建物だけではなく、ホテル内で使用される家具、照明、ドアノブ、カトラリーに至るまでデザインしました。
そのプロジェクトで誕生した作品の一つがEGG(エッグチェア)です。
1958年にデザインされ、60年以上経った今でもモダンに感じられるあのデザインは、名作チェアと呼ばれる所以だと思います。
実は、エッグチェアの特徴である、あの独特なフォルムには理由があります。
それは、ホテルのロビーでの使用を考慮してデザインされ、多くの人が集う空間をプライベートスペースとして区切る、間仕切りとしての機能も持ち合わせているからです。
まさに、広いスペースでもひとつの空間にいるような気分を味わえる特別なラウンジチェアです。
エッグチェアの隠れた秘密
エッグチェアをデザインするため、ヤコブセンは彫刻家のように、石膏を削って試作を繰り返し、あのエッグチェアのシェルの完璧なフォルムを追求しました。
その石膏を削って完成されたフォルムを今でも忠実に再現しているため、実はエッグチェアはアシンメトリー(左右非対称)なのです。
人間の顔もシンメトリー(左右対称)にすると違和感があるように、完璧を追求した結果が今のフォルムになっているようです。
1000針以上の手作業による縫合
エッグチェアの縫合は職人の手作業によって行われています。
1台のエッグチェアを完成させるまで、1000針以上。
エッグチェアの独特なフォルムを縫合する技術は非常に難しく、熟練の職人が丁寧に縫合していきます。
まさにその技術は神業といえます。
詳しくは下記の動画をご覧ください。
エッグチェアの機能
エッグチェアにはリクライニング機能が備わっています。
座面の下に付いているバーを回転させることで、リクライニングの硬さを調整することができます。
エッグチェアのスツールと組み合わせることで、よりゆっくりと寛げるラウンジチェアとなります。
意外にその機能は知られていませんので、是非お試しください。
以上、エッグチェアの誕生と隠れた秘密でした。
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